前頭部の生え際からM字型で薄毛が進行してしまうタイプは、AGA(男性型脱毛症)のタイプのひとつです。
M字型薄毛治療として内服薬・外用薬を使っても効果がみられない方の中には、次に受ける治療として自毛植毛を検討されている方が少なくありません。
しかし、自毛植毛の費用が気になり踏み込めない方が多いのではないでしょうか。
自毛植毛には施術タイプがあり、タイプにより料金は異なります。
ここでは、最初にM字薄毛について簡単に説明し、自毛植毛の料金相場を進行度・施術タイプ別に解説します。自毛植毛にかかる費用が気になっている方は、これを参考にして自毛植毛を受けるかを決めてみてください。
多くのM字型薄毛の原因はAGAです。AGAは、男性ホルモン(テストステロン)がⅡ型5α-リダクターゼという酵素によりジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることで始まる脱毛症です。DHTは、毛乳頭細胞内にある男性ホルモン受容体であるアンドロゲンレセプターと結合すると、脱毛因子であるTGF-βが産生され、薄毛が進行していきます。
そのため、こめかみ周囲にⅡ型5αリダクターゼが多く分布している方は、M字型に薄毛が進行するリスクが高くなってしまうのです。
自毛植毛とは、AGAの影響を受けにくい後頭部や側頭部の毛髪を毛包ごと採取して、M字型薄毛が気になる部分に移植する治療法です。
「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」でも、ミノキシジルやフィナステリドなどを使った投薬治療を行っても改善が認められない場合は、次に行う治療法として推奨されています。
自毛植毛には、メスで頭皮ごと切り取るFUT法や専用のパンチで毛髪を毛包ごと採取するFUE法、ロボットアームで正確に素早くグラフト採取を行うARTAS法などいくつかの手術法があります。
自毛植毛の費用は以下のように決まります。
基本料金+1グラフトあたりの料金×移植するグラフト数
基本料金には、自毛植毛で使用する医療機器使用料や医師の技術料、衛生維持費など移植する範囲に関係なくかかる費用です。
ひとつずつグラフト採取を行い、丁寧に移植する必要があるため、医師の技術力が求められる治療法です。また、自毛植毛の生着率は80~90%ですが、医師の技術や経験に影響を受けるといわれています。
費用には以下の4つの要素が影響します。
以下で4つの要素を詳しく説明します。
施術法
施術法によって医師の労力や使用機器が異なるため、費用にも影響します。
例えば、FUE法は丁寧にひとつずつグラフトを採取しなければいけないため、頭皮ごと切り取ってしまうFUT法より、1グラフトあたりの採取費用が高く設定されています。
移植する範囲(グラフト数)
薄毛が進行しており、広い範囲に移植が必要な場合は、移植するグラフト数が多くなってしまうため、費用も高くなります。そのため、費用を抑えるためには、早めに治療を受けることがおすすめです。
施術回数
自毛植毛は、広い範囲の薄毛治療にも対応できる治療法ですが、1回の施術で移植できず複数回施術が必要になることもあります。施術ごとに基本料金がかかるクリニックもあるため、費用が高くなります。
採取部の刈り上げの有無
ドラフト採取部の刈り上げができるかどうかは、費用に影響する要素です。
審美的な理由でドラフト採取部を刈り上げたくない場合、ドラフト採取の難易度が高くなるため、1ドラフトあたりの採取費用が高く設定されています。
ここでは、自毛植毛でよく行われているFUT法とFUE法について、M字型薄毛の進行度による料金相場を紹介します。自毛植毛は、健康保険が使えない自由診療で治療費は全額自己負担です。
最初にFUT法とFUE法の料金相場を以下の表にまとめました。時期や地域によって相場は異なるので目安程度に考えてください。自毛植毛を受ける際は、必ずクリニックに料金を確認しましょう。
施術名 | 基本料金相場 | 1グラフトあたりの料金相場 |
---|---|---|
FUT法 | 約220,000円 | 約900円 |
FUE法 | 約280,000円 | 約1,300円 |
M字型薄毛があまり進行していない場合の料金相場
薄毛があまり進行していなく、移植範囲が比較的狭いM字型薄毛の自毛植毛に必要なグラフト数は、約500グラフト、髪の毛では1250本が目安となります。
費用相場は、FUT法で約700,000円、FUE法で約900,000円です。
M字型薄毛がかなり進行している場合の料金相場
かなり薄毛が進行してしまったとしても、M字部分が頭頂部より前方で止まっている程度なら、必要となるグラフト数は約1,000グラフト前後でしょう。
費用相場は、FUT法で約110万円、FUE法で約160万円です。
M字型薄毛の自毛植毛による費用相場を紹介しました。薄毛が進行し移植しなければいけない範囲が広くなるほど、費用は高くなります。そのため、まだ薄毛があまり進行していない段階で治療を開始することが大切です。無料でカウンセリングを受けられるクリニックが多いので、少しでも薄毛について気になり始めたら、カウンセリングの予約をして相談することをおすすめします。
自毛植毛コラム
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